ハートも、万華鏡。

ふわふわの中身がふわふわとでも?

言葉と人生と。


「この世界で最も重大な罪は、言葉で人を傷つけることだ。」


【言葉】を声として発することも、文字として書き起こすことも、基本的には簡単なことである。

【言葉】はなんでもできる。喜ばせることも、怒らせることも、悲しませることも、楽しませることも。歓喜に満ちた気分にすることも、悲哀の底に陥れることも。家族、友達、恋人だけでなく、顔も知らないような他人だって。そしてもちろん自分も。

【言葉】は、簡単に、なんでも、できるのである。


この間、大学の先輩同期で、「心が叫びたがってるんだ。」を見に行った。

冒頭の文は、序盤にあるキャラクターが主人公に発した台詞である。この言葉が1番印象に残っている人はごまんといるだろう。実際に、私もその1人だ。笑

正直、アニメ映画なんてジブリ以外は見ないし、なんなら「あの花。」すら見てないのにいいの?といった気持ちだったが、先輩に連れられて来てしまった。ノリで。

ちなみに全体のあらすじとかは言わないよ、そういうの上手くないからね。

白状すると、日々の疲れと全然眠れてないのとで、途中うとうとしてしまったが、最後はしっかりと泣いてしまった。一緒に行った先輩や同期は、青春という言葉をやたらと使っていたが、たしかにキラキラしていた。学生の日常生活に友情も恋愛もすべて混ざっている、まさに正統派な青春物語だった。


ただ、私が泣いてしまった理由は、ものすごく序盤にある。

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主人公は、山の上にあるお城に夢を抱いていた。お城って言っても、ただのそういうホテルなんだけどね。山の上だし。

学校帰りに寄り道してお城の前に来てみては、何があるんだろうなー、入ってみたいなーとか思っていたんだろうな。

そんな時、車が出てくるんです、運転手はお父さん。助手席は知らない人。

びっくりした、普通に。

おお、まじか。いきなりそうきたか、みたいな。昼間に何してんだよ、お父さん。

主人公は幼いし、特になにも考えずに、ええ!お父さん王子様だー!お姫様はお母さんじゃなかったけど!と、お姫様がお母さんじゃないことがなにを意味するのか、分かるはずもなく、お母さんに話しちゃうのである、無邪気に。無邪気って時として怖いよね。


それがきっかけで2人は離婚することになって、お父さんは家を追い出されることになる。詰め寄る主人公。

「私がお母さんになんとか言うから、また戻ってきてほしい」とかたしかそんな感じのこと。お父さんお母さんが別々になるなんて寂しいに決まってるよね。

そこで中年で別にかっこよくもないクズ王子様、かわいいかわいい娘に放った言葉とは。


『お前のおしゃべりのせいでこうなったんだろ。』


.....はい?

なに言ってんのこの肥満体型ロクデナシ王子様。


この言葉に深く傷ついた主人公はそれ以来、言葉を発することを辞めてしまう。それ以降の話が本編なんだろうけど、私はその話だけで充分見てて苦しかった。


『お前のせいで』って、じゃあ娘のどこを見て言ったんだよ。

そもそも、父親の不貞行為が原因じゃないの?娘がおしゃべりじゃなかったら離婚もせずに幸せそうな繕われた家族を維持できるとでも思ったか?女の勘をなめんな。言わなかっただけで実際浮気の一つや二つすぐ気付くんだよ。浮気した時点で終わってんだよ。

夫婦間で何があったか知らないけど、お母さんは浮気されて辛いと思うけど、お父さんも何か辛いこととかあって浮気に逃げたのかもしれないけど、でも。

でも、それ以上に辛いのは、両親の勝手な都合に振り回されて、両親の自分だけが助かりたい一心でついたわがままな言葉によって心に傷をつけられた子供なんだってこと。


言葉は簡単に人生を変えることができる。

良くも悪くも。

言霊は存在するし、だからこそマイナスな言葉は簡単に放つものじゃない。そして、簡単に放つことのない人が放ったマイナスな言葉がどれだけ意味を持つものであるのか、も。


そういったことが頭から離れなくてだらだらと考えていたら、なんだか泣けた。


家族をつくるって、当たり前だけど、自分だけの話じゃない。自分と彼の話だけでもないんだと思う。


そういう話になると、涙腺弱い上に必要以上にアツくなります。

そんな人間です、はい。

人生難しいねーーー。終わり。


ちなみにバケモノの子の方が泣けた。4回くらい泣けた。